人気カラーのコロナ石油ストーブ
3種をテントで使ってみた
人気カラーの
コロナ石油ストーブ
3種をテントで
使ってみた
このページは CAMPHACK(2023年9月)掲載記事の内容を、一部編集して転載しています
秋冬キャンプの準備はできていますか? 寒い時期の必須ギアといえばストーブですよね。人気のモデルは、毎年必要なシーズンには売切れなんてことも珍しくありません。
本記事では注目のブランド「OUTFIELD」(コロナ)のストーブ3種をフィールドでレビュー。
ぬくぬくキャンプを楽しむために、一緒に予習しておきましょう!
こんにちは。アウトドアディレクターの秋元です。
暑い夏が過ぎ、いよいよキャンプを楽しむのに快適なシーズンがやってきます。
しかし、地理によっては朝晩の冷え込みが厳しい場所もあるので、服装や寒さ対策には十分に注意しなければいけません。
いつ買うの?……今でしょ!!
秋冬のキャンプで、暖をとる手段として活躍するのがストーブですよね。「いやいや、さすがにストーブの話をするのは、もう少し先でいいでしょ?」と感じる方も多いと思いますが、断言します。購入は早めが吉です。
例年、冬になると人気のストーブは売り切れということも珍しくありません。
特にアウトドアカラーのモデルは争奪戦になりがち。早めの入手がおすすめです!
秋元
そんな石油ストーブですが、昨今キャンパーからの視線を集めているのが、写真の「OUTFIELD」(アウトフィールド)のストーブ達。
日本屈指のものづくりの町、新潟県燕三条エリアに拠点を構える暖房機器メーカー・コロナ(株式会社コロナ)が、アウトドア向けにスタートした特別仕様です。
「OUTFIELD」はどんなサイトにも合わせやすい、オトナなオリジナルカラー“フィールドベージュ”に身をつつんだ意欲作だけあり、サイトとのマッチングは文句なし。
しかし、実際に購入を検討すると、この3種の違いがイマイチわからないというユーザーの方も多いでしょう。
今回は同社(株式会社コロナ)の協力のもと、「OUTFIELD」にラインナップされている3種類の石油ストーブをフィールドでレビューします。
機種別の特徴をもとに、自分に合ったモデルを選ぶ際のポイント、
積載時のサイズ感などもチェックしましょう!
最初にレビューするモデルは、今年の4月に出たばかりの小型対流形石油ストーブ「SZ-F32」。
新規に設計されたモデルで、デザインだけでなく、キャンパーのかゆいところに手が届く、さまざまな気配りがされています。
同サイズ帯(他社製)のストーブを上回る暖房出力を備えている点に注目です。
コンパクトながら、しっかりと空間を温めるスペックを備えています
- スペック
- 暖房出力
- 3.19 kW
- タンク容量
- 3.8 L
- 燃焼継続時間
- 約12.3 時間
ランタンライクなデザインと絶妙な大きさ
サイトの雰囲気を損なわない、ランタンのようなデザインが非常に魅力的。また、大きすぎない絶妙なサイズが、サイト内でも場所を取らず、省スペースに設置できます。
反射板をセットすることで効率良く暖まれる
背面に広がる熱を反射させ、効率よく暖まるための反射板(別売り)も販売されています。
もちろんメーカー純正品なので適合もばっちり。安心して使用できます
このようにガードに取り付ければ、燃焼筒からの熱が反射して、ストーブ前面をより暖かくしてくれます。
ソロキャンプのシーンなら、前面を陣取ってぬくぬくしたいところです
「燃焼筒押え」により輸送時も安心
そして思わず感心してしまったのが、この「燃焼筒押え」。
僕自身、他メーカーの灯油ストーブを持っているのですが、車載運搬時にブレーキをかけたタイミングや、地面の段差や凸凹でクルマが揺れたとき、ストーブの燃焼筒がカチャカチャと音を立てるのが気になっていました。
それを解決するパーツまで付属するなんて、気が利きすぎです。
車載を想定したテストをしていなければ、気付けないポイントでしょう
積載時のサイズ感は?
専用収納バッグ(別売り)に入れた状態で、ラゲッジに積載した際のイメージです。バッグの寸法は幅380×奥行380×高さ485mm。
なおこの収納バッグには、先述した反射板を入れるポケットが付属しているのも嬉しい点です。
オフシーズンにはストーブをホコリや破損から守ってくれます
続いてレビューする「FH-CPF25」は、低出力のポータブル電源でも使うことのできる、唯一無二のファンヒーター。
デビュー時(2023年3月)には、瞬く間に完売してしまった人気の機種であり、好評につきこの秋に追加販売がされました。
ハイテクでありながらも、OUTFIELDのコンセプトをしっかりと体現したような、アウトドアライクな外観が印象的な一台です。
対震自動消火装置や、
不完全燃焼防止装置などがしっかり搭載されている点も高評価です
- スペック
- 暖房出力
- 2.50〜0.66kW
- タンク容量
- 3.6リットル
- 燃焼継続時間
- 約14.8時間(最大燃焼時)
- スペック
- 暖房出力
- 2.50〜0.66kW
- タンク容量
- 3.6リットル
- 燃焼継続時間
- 約14.8時間(最大燃焼時)
低出力ポータブル電源で使える
内臓ファンの力で暖かい空気を送り出す、ファンヒーター。
空間をムラなく温めるので、ストーブと離れた場所に座っていても、暖が取れるのが一番の魅力です。
家庭用の石油ファンヒーターは、内臓ファンを回すために電源が必要ですが、定格出力200W以上のポータブル電源で使えてしまうのがすごいところ!
使用できるポータブル電源の条件は、定格出力200W以上、純正弦波または正弦波の100Vで、50Hzまたは60Hzのもの。
上の写真のような、低出力ポータブル電源でも使用できるのが、このファンヒーターの最大の強みです。
消費電力は、運転開始〜強火力を3時間使用して約60Wh。筆者が
普段使っているポータブル電源(400Wh)でも、約20時間使える計算です
カートリッジ式タンクで灯油の補充がラクラク
カートリッジ式の「汚れま栓タンク」。燃料タンクが外せるということは、給油がしやすいということ。テントの中で給油するのは灯油漏れのリスクがあるから避けたいところですよね。
ストーブごと外に運んで給油するのは面倒!
これならタンクだけ外して、テント外で給油できます
その名の通り、給油の際に手が汚れにくいヒンジ開閉式のフタも考えられた機構。つまみを引くとバネの力でフタがオープンします。キャップ式と違って、フタの紛失の心配もありません。
まるで開閉ハッチのような挙動。“ギア感”がたまりませんな!
標高が高い場所でも安全に使える
標高の高い場所では酸素濃度が薄くなるため、石油ストーブごとに設定された「安全使用できる標高」を超えた場合、燃焼に異常をきたします。
2,000mの標高まで対応できる高地設定モードを搭載。
「山」が描かれたボタンを押して、4段階の標高に合わせることができます
新潟や長野、群馬などの標高1,000mクラスの高原には、広大な山並みを拝むことのできる、“絶景キャンプ場”が存在しています。
標高に左右されず、石油ストーブを使いたい方には、おすすめの1台です。
標高が高いほど寒いので、なおさら貴重な機能!
積載時のサイズ感は?
幅約1,250mmのラゲッジに積載した状態はこちら。別売りの専用収納バッグに納めた状態で幅330×奥行330×高さ410mmの寸法です。
コンパクトなうえ、本体の形状がフラットなので、積載時の収まりもGOODです
最後の1台は対流形石油ストーブ「SL-F510」。“コロナのストーブ”といえば、この形を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「OUTFIELD」はカラーの変更だけでなく、しん調節つまみ(黒いダイヤル部分)が新規設計のものに変更されていたりと、キャンパーの心くすぐるデザインにリファインされています。
より頑丈に強化されたガードも特徴的。単一形乾電池2個で使用できる
点火レバーも備えているため、ライターなしで使えます
- スペック
- 暖房出力
- 5.14kW
- タンク容量
- 6.0リットル
- 燃焼継続時間
- 約12時間
大人数で使うならこれ!
「SL-F510」の一番の魅力は、なんといっても暖房出力の高さ。
大型のテントやシェルターに対応できるので、4人以上のファミリーやグループでの使用に最適です。
大人数での使用を想定していて、パワーのあるストーブを探している方はこのモデルがおすすめ!
火のゆらめきも楽しめるモデル
火のゆらぎが楽しめるのぞき窓。ムードを高めてくれます。
視覚からも暖かさを感じられるという、ロマンティックなオマケつき。
石油ストーブといったら、やっぱりこれですよね
積載時のサイズ感は?
こちらも幅約1,250mmのラゲッジに積載。別売りの専用収納バッグに納めた状態で幅470×奥行470×高さ570mmの寸法です。
他の2台と比べると大きめですが、同スペック帯の他のメーカーのストーブよりはコンパクト。
底面の形状は円形ではなく四角形。
ラゲッジのロスも最小限にとどめてくれます
石油ストーブを
テントで正しく使う・
3つのポイント
ここからはコロナ担当者の方に聞いた、テントでの正しい使い方を紹介します。
キャンプ慣れした方でも見落としがちなポイントもあるので、こちらもチェックしておきましょう!
※あくまでコロナ製ストーブにおける使い方の留意点です。
メーカーにより異なりますので、ご注意ください
ベンチレーションがあるテントを選ぼう
まずはテント選び。ストーブは当然、燃焼に酸素を使用するので、新しい外の空気が入り、抜けるよう、換気性能が高いテントを選ぶことが重要です。
また、冷たい空気は下から入り、温められた空気は上から抜ける性質があります。以上の2つの観点から、テントの下部と上部にベンチレーションを備えたテントを選びましょう。
間違っても、機密性の高いテントでストーブを使用して不完全燃焼させないように気をつけてください。
フロアシートの上で使用するのはNG
フロアシートは難燃ではない素材でできているのがほとんど。何かの拍子に引火するリスクがあります。
また、テントの裾から外の新鮮な空気が入るのを妨げる恐れもあるため、空気の循環を良くするためにも、必ず外して使用しましょう。
ストーブとテント・可燃物は
必要なディスタンスをとって配置
ストーブとテントの内壁との間に、適正な距離を設けることも大事です。イスや衣類などの可燃物からも、同様に距離をとって設置してください。
自身の安全はもちろん、熱によるテントなどへのダメージにも関わるポイントなので覚えておきましょう。
また出入り口付近など、風が吹き込む位置に設置するのもNG。石油ストーブは風の影響を受けやすいので、少しの風でも異常燃焼や事故の原因につながります。
また、ガス缶などの可燃物やバーナー、ランタンなどの燃焼機器もこの距離の中に置かないように注意してください。
石油ストーブ | SZ-F32、SL-F510 | 正面・上面 100cm以上、側面・背面 100cm以上 |
---|---|---|
石油ファンヒーター | FH-CPF25 | 正面・上面 100cm以上、側面・背面 15cm以上 |
正しく使えば、快適で手放せなくなるストーブ。テントメーカーによっても注意点が異なるため、併せて確認してみることが大事です。
一酸化炭素チェッカーを使うなど、キャンパー自身もできる限りのチェックを行いましょう
秋元
コロナ「OUTFIELD」の石油ストーブは、キャンプサイトに溶け込むデザインやカラーリングだけでなく、ストーブメーカーのノウハウを凝縮したような、独自の機能が魅力的でした。
あなたの使い方に合った1台をぜひ手に入れて、
寒い時期のキャンプも、ぬくぬく快適に過ごしましょう!
出典元
キャンプ・アウトドアを楽しむ人がチェックする、国内最大級のアウトドアWebマガジン『 CAMP HACK 』。キャンプの魅力、自由、ワクワクをあなたの手のひらに。最新のキャンプ用品やレシピ、フィールド情報など、キャンプにまつわるあらゆる情報を皆様にお届けします。